家庭血圧はいつ測る?朝晩のタイミング・測り方と記録の残し方

家庭血圧の測り方と記録。時間・姿勢・記録を確認。数値表示のない血圧計と記録帳、小さなぱーそんのイラスト。

家庭で血圧を測り始めると、「朝食の前と後、どちらがよい?」「2回のうち低い数字を残せばよい?」と迷うことがあります。基本は、朝と晩に条件をそろえて測り、最初の測定値から記録することです。数字だけでなく、いつ、どんな条件で測ったかも診察時の手がかりになります。

この記事は、成人が家庭で血圧を測って記録する一般的な方法を整理したものです。個別の診断や薬の調整は行いません。妊娠中、測定する腕に治療上の制限がある場合などは、担当の医療者に方法を確認してください。強い症状があるときは、記録を完成させることより医療対応を優先します。

日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」は、2025年8月29日に発行されています。本記事の測定手順は、学会の一般向け資料と、同ガイドラインを参照した仙台市の測定案内(2025年11月18日更新)など、公開されている公式情報を照合してまとめています。

目次

血圧計は上腕式を基本に、カフと説明書を確認する

日本高血圧学会の家庭血圧測定の案内は、上腕で測る血圧計を勧めています。腕にカフ(腕帯)を巻いて測るタイプを基本に、使う機種の測定可能な腕周囲、カフの装着位置、操作方法を確認しましょう。腕に合わないカフを、締め方だけで無理に合わせないようにします。

手首式を持っている場合も、上腕式と同じつもりで置き場所や姿勢を決めないでください。手首式には位置などによる測定上の注意があります。自分の機種を診療用の記録に使えるか、測り方と合わせて医師・看護師・薬剤師へ相談できます。学会の血圧計情報には機種別の試験情報もありますが、掲載は特定商品の推奨を意味しません。

以下の朝晩の測定条件と、機器ごとの安全な使い方はセットで確認します。カフの装着、測定間隔、エラーへの対応は説明書に従い、説明書により長い安静時間などの指示がある場合も守ってください。PMDA掲載の血圧計添付文書(機種別の例)でも、対象となる腕周囲や使用時の注意が定められています。数値や操作を別の機種へそのまま流用しないことが大切です。

朝は起床後1時間以内、晩は寝る前が基本

日常の記録では、朝と晩の2つの機会を設けます。単に「朝のどこか」「帰宅した直後」とするより、食事や服薬との順番までそろえると、後から条件を確認しやすくなります。

測る機会一般的なタイミング測る直前の準備
朝起床後1時間以内。排尿後、朝食前、朝の服薬前。椅子に座り、1~2分安静にしてから測る。
晩就寝前。椅子に座り、1~2分安静にしてから測る。入浴・飲酒直後など、条件の違いにも注意する。

上の表は仙台市の家庭血圧測定条件をもとにした整理です。主治医から追加の測定時刻や別の方法を指定されている場合は、その指示を確認してください。夜勤などで生活時間が通常と異なる人も、「朝」を何時にするか自己流で固定せず、起床・就寝・服薬時刻を伝えて相談します。

「朝の服薬前に測る」は、処方された服薬時刻を勝手に遅らせたり、薬を抜いたりする指示ではありません。測定と服薬の順番に迷ったら、医師や薬剤師へ確認してください。国立循環器病研究センターの案内も、主治医の指示なく薬を調節・中止しないよう注意しています。

姿勢は、背もたれ・腕の高さ・会話の3点を見る

静かで寒すぎない、快適な室温の部屋を使います。背もたれのある椅子に足を組まずに座り、カフを心臓と同じ高さに保てるよう腕を支えます。測定前の安静中や測定中は会話をせず、体や腕を動かさないようにします。

腕を締め付けるきつい袖にも注意してください。カフを素肌に巻くか、薄手の衣服の上でもよいかは、使用する機器の説明書に合わせます。測る直前の喫煙・飲酒・カフェイン摂取は避けます。これらは日本高血圧協会の測定上の注意や機器の説明書で確認できます。

同じ腕・同じ姿勢で続けることも大切です。左右差が気になる場合や、座った姿勢を取りにくい場合は、低い値が出る腕や姿勢を自分で選ぶのではなく、使用する腕と測定方法を医療者に確認します。

朝と晩、それぞれ原則2回。低い数字だけを選ばない

1回の測定機会につき、原則として2回測り、その平均を使います。「朝1回、晩1回の合計2回」とは区別してください。2回目までの間隔は使用機器の説明書に従い、すぐにボタンを押し直して測定を詰め込まないようにします。

記録には、1回目と2回目の両方を残します。平均欄を作るなら、上の血圧同士、下の血圧同士で計算します。低い値だけを書く、最初の値を消す、納得できる値が出るまで何度も測る、といった記録の仕方は避けてください。日本高血圧協会のQ&Aも、全測定値を記録し、低い値が出るまで繰り返さないよう案内しています。

1回しか測れなかった機会は、その値を記録します。2回目を推測で埋める必要はありません。学会の一般向け資料では、週5日以上の測定結果を主治医に見せるよう案内していますが、受診を指示されているときや体調が悪いときに、日数がそろうまで受診を待つという意味ではありません。

記録欄は「数値・時刻・いつもと違う点」をセットにする

紙のノートでも、機器のメモリーやアプリでも、診察時に見せられる方法を選びます。記録欄の一例は「日付/朝・晩/測定時刻/1回目の上・下/2回目の上・下/平均/メモ」です。血圧の単位はmmHgとし、脈拍など主治医から指定された項目があれば追加します。

メモは長文でなくて構いません。「朝食後に測った」「服薬後だった」「いつもと違う時刻」「測定中に会話した」など、普段と違った条件を短く残します。自動記録を使う場合は、本体の日付・時刻と使用者の設定も確認し、家族の値が混ざらないようにしましょう。

困った場面残す情報・確認すること避けたい対応
2回の値が違った両方の値を残す。測定条件や気になる変化は医療者へ伝える。低い方だけ採用し、もう一方を消す。
食後・服薬後に気づいた実際に測った時刻と条件を記す。処方は変えず、次の測定方法を確認する。食前・服薬前の測定として記録する。
測れなかった・書き忘れた未測定と記録忘れを区別。メモリーを確認し、不明なら不明と残す。前日と同じ数値や想像した数値で埋める。
エラーが出たエラー表示と説明書を確認。装着や操作を見直しても続く場合は、メーカーや医療者へ相談する。エラー表示を血圧値として書く、何度も続けて加圧する。
測ること自体が不安・負担測定頻度や方法を主治医に相談する。不安を打ち消すためだけに繰り返し測り続ける。

この表は、公式の測定・記録上の注意を日常の場面に当てはめた整理です。症状がある場合の対応を、この表だけで判断しないでください。

仮例:朝の順番を決め、できなかった日は条件を残す

例えば、7時に起床する人が「排尿を済ませる→椅子に座って安静にする→説明書に沿って2回測る→結果を残す」という順番を決める方法があります。朝食や処方された服薬との順序も、あらかじめ医療者と確認しておきます。これは手順を説明する仮の例で、本人の血圧や治療経験の紹介ではありません。

翌朝は忙しく、朝食を食べてから測ったとします。その日は条件欄に「朝食後」と記し、測定していない食前の値を作りません。晩の記録と混ぜず、そのまま受診時に見せます。完璧な表を作るために事実を直すより、実際の条件が分かる記録を残す方が相談に使えます。

記録は診察に持参する。強い症状があれば測り直しを優先しない

家庭での記録は診察時の判断材料です。1回低かったから安心、1回高かったから自分で薬を追加する、といった使い方はしません。気になる値が続く、いつもと違う変化がある、測定方法が合っているか不安な場合は、記録と使っている血圧計の型番を伝えて医療機関へ相談してください。症状がないことだけでも、安全とは判断できません。

突然の激しい頭痛、急な息苦しさ、突然片側の手足に力が入らない、ろれつが回らないなど、緊急性の高い症状があるときは119番です。厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」が示す症状に当てはまる場合は、血圧を何回も測り直したり、いつもの数値になるまで待ったりせず対応してください。本記事では、血圧の数字だけで救急・安全を区切る目安は設けていません。

健診で再検査・受診を指示されている場合も、家庭で測り続けるだけで代用しないようにします。受診先や持ち物を整理したい方は、健診で要再検査と言われたときの確認手順も参考にしてください。

始める前に、血圧計の型番とカフ、朝晩のタイミング、記録を見せる方法の3つを確認しましょう。自分に合った測定計画は医療者と相談し、薬の使い方は処方どおりに続けます。

情報確認日:2026年10月28日。一般的な測定・記録方法の情報であり、個別の診断・治療を行うものではありません。機器の安全な使用については、その機種の説明書と医療者の指示を確認してください。

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