仕事や家事で忙しい日は、スーパーの惣菜やコンビニ弁当に助けられますよね。塩分が気になっても、毎食自炊に切り替えるのは簡単ではありません。
まず試したいのは、いつもの売り場で「食塩相当量」と「何の量に対する表示か」を一緒に見ること。特別な食品を買いそろえなくても、選び方や調味料の使い方を見直す手がかりになります。
この記事では、栄養成分表示の読み方と、惣菜・弁当を使いながら続けやすい工夫をまとめます。個別の病気の診断や食事療法を案内するものではありません。
まずは栄養成分表示の「食塩相当量」を探す
容器の裏面や側面、ラベルなどにある「栄養成分表示」を探してみましょう。一般的な表示では、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物に続いて、食塩相当量が並びます。
食塩相当量は、食品に含まれるナトリウムを食塩の量に換算した数値です。調理中に振った塩だけを示すものではありません。
容器包装された加工食品には原則として栄養成分表示がありますが、省略が認められる場合もあります。表示が見当たらないことを「塩分が少ない」という意味には受け取らず、確認できる商品から比べれば十分です。
数字の前に「100g当たり」か「1包装当たり」かを確認
ここが、買い物で間違えやすいポイントです。表示の基準は商品によって異なり、100g当たり、1食分当たり、1包装当たりなどがあります。「1食分」と書かれていても、自分が食べる量と同じとは限りません。
架空の惣菜で比べてみる
以下は読み方を説明するための架空の表示です。実在の商品や平均的な含有量を示すものではありません。
- 惣菜A:100g当たりの食塩相当量1.2g、内容量150g
- 惣菜B:1包装150g当たりの食塩相当量1.5g
どちらも1包装を食べる場合、Aは「1.2×150÷100=1.8g」、Bは表示どおり「1.5g」です。表面上の1.2と1.5だけを比べると、判断が逆になります。
100g当たりの表示を食べる量に直すときは、次の式が使えます。
食塩相当量の目安=100g当たりの表示値×食べる重量(g)÷100
例えば、100g当たり1.2gの惣菜を80g食べるなら、1.2×80÷100=0.96gです。ただし、具やたれが偏っている料理では、重量だけで正確に取り分け後の塩分を計算できません。あくまで表示値からの目安と考えましょう。
買う前に毎回計算するのが面倒なら、最初は「1包装当たり」と表示された、同じような量・種類の商品同士で比べる方法が手軽です。
1日の目標量と、お弁当1個の数字は分けて考える
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病の発症予防を目的とする18歳以上の食塩相当量の目標量は、次のとおりです。
- 男性:1日7.5g未満
- 女性:1日6.5g未満
これは一般的な目標量であり、毎日その量まで食べる必要があるという意味でも、下回れば必ず健康を保てるという保証でもありません。また、1食だけの上限を示した数値ではありません。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」
お弁当を選ぶときは、一緒に食べるものも思い出してみましょう。例えば、次もすべて架空の表示値です。
- 弁当1包装:3.0g
- 別売りの即席スープ1食分:1.4g
- 別売りの漬物1包装:0.5g
それぞれを全部食べれば、合計は「3.0+1.4+0.5=4.9g」。弁当だけを見る場合と、食事全体を見る場合では数字が変わります。
添付のしょうゆやドレッシングがあるときは、セット全体の数値なのか、調味料だけの数値なのかも確認してください。全体の表示にすでに含まれているものを、もう一度足さないようにしましょう。表示だけでは判断しにくい場合は、販売元に確認できます。
出典:消費者庁「栄養成分表示のためのガイドライン 第6版」28頁
お金と手間を増やしすぎない見直し方
いつもの価格帯で、似た商品を2つ比べる
売り場の全部を調べるのではなく、普段買う弁当や惣菜を2つだけ比べてみます。量や内容が近いものなら、食塩相当量の違いも検討しやすくなります。
「減塩」と書かれた商品も選択肢ですが、その言葉だけで決めず、栄養成分表示と単位を確認しましょう。割引や大容量のお得さを見るときも、1包装に何食分入っているかを一緒に見ておくと混乱しにくくなります。
調味料は、かける前に味を確かめる
惣菜にはすでに味が付いています。付属のたれを最初から全部かけず、まず一口食べてから、必要な分を少しずつ足す方法があります。家にある酢や香辛料を使って味を変えるのも一案です。
麺類なら、汁を全部飲まないことも減塩の工夫になります。ただし、残した汁の量だけで「何g減らせた」と正確には判断できません。商品全体の表示値を単純に半分にするような計算は避けましょう。
記録は、よく買う商品だけでもよい
最初から1日分を細かく管理すると負担になる場合があります。まずは昼食でよく選ぶ商品の名前、1包装当たりの食塩相当量、価格をスマートフォンのメモに残してみてください。次の買い物で、好みと予算に合う候補を選びやすくなります。
塩分の数字だけを下げようとして食事を抜いたり、量を極端に減らしたりするのではなく、食事全体を整える中で見直していきましょう。家族分を買うときも、大人向けの目標量を子どもにそのまま当てはめないでください。
通院中は一般的な目標より、個別の指示を優先
高血圧や腎臓病などで通院している人、食事について指示を受けている人は、この記事の数値を自己判断の目標にせず、担当の医師や管理栄養士に確認してください。
健診で再検査や受診を勧められているなら、食事を変えることだけで済ませず、結果の案内に従って対応しましょう。関連記事:健康診断の再検査について
次の買い物では、単位と数字を一緒に見る
惣菜や弁当を使いながらでも、栄養成分表示を読むことはできます。まずはいつもの商品を1つ手に取り、「何g・何食分当たりか」「食塩相当量はいくつか」を確認してみましょう。
そのうえで、似た商品と比べる、追加の汁物まで含めて考える、たれを少しずつ使う。無理なく続けられそうなことを1つ選ぶところから始めてみてください。
※制度・資料は2026年10月27日時点で確認しています。

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